■ 「異常」と「異状」の違い。
 

【解説】

「異常」
 「ふだんと異なっている」「正常でない、普通でない」という意味。

「異状」
 「異なったようす」という意味の名詞。限定用語。
 名詞なので「イジョウな」という形容詞的な用法になる場合には、「異状な」と書くことはできない。

 
【補足】

 身体のどこかがなんとなく痛いというのは「異状あり」になるが、病院で診察した結果悪性腫瘍が見つかったということになれば「異常あり」になる。

 巡回や点検において「異常」がなかった場合の報告は、「異常なし」ではなく「異状なし」が適切。
 「異状」が前提となる「異常」の発生を伝えるためには「異常事態発生」となる。

 「異状」は「異常」に包括されていると言える。

 
【参考】

「異常」の使われ方
 医師法の「異状死体」(第21条<異状死体等の届出義務>)
 小説の「西部戦線異状なし」(ドイツの小説家レマルクの作品名)

 

 

 

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