■■■ マグネシウム火災について ■■■
【消火について】

　消火に使用する物は、乾燥砂、フラックス、ダライ粉(鉄系金属の切削粉)が望ましい。
　通常の泡消火器、粉末消火器、炭酸ガスは使用不可。
　水による消火は厳禁。
金属火災消火器　大量の噴霧が必要。消火効果はあるが、鎮火までは厳しい。
黒鉛粉(グラファイトパウダー)　乾燥砂より熱伝導率が良好であるため消火効果が良い。
鋳鉄ダライ粉　熱伝導率が高く熱吸収能も大きいため、他の消火剤より被覆効果が大きい。消火効果はきわめて大きい。※１
溶解用フラックス(低温処理用脱酸剤)　燃焼熱で塩化マグネシウムが一部気化して防燃雰囲気をつくる。※２
パーライト　火山岩として産出されるパーライト原石や珪藻土等を高温で熱処理してできる人工発泡体。
※1 　鋳鉄とは、通俗的に鉄を使った鋳物製品全般、またそこに用いられている鉄や金属類の加工時に出る切削屑のこと。
　業界では「切り粉」などとも呼ばれている。
　昔、主にダライ盤という旋盤を使用して金属を切削していた事に拠りダライ粉と呼ばれる。
※2 　発生した酸化物を速やかに溶かし、流動性スラグで溶湯表面を一様に被覆することで、酸化を防止することができる。
　酸化物に覆われたスクラップは溶落時間が長いので、表面酸化物を溶かし込む事により溶落時間を短縮することができる。
【人体に対して】

　特筆するべき事はないが、製品片が皮膚内に侵入した場合、炎症を起こす可能性がある。
　粉塵を吸い込んだ場合、新鮮な場所に移動し、安静にして医師の診断を受ける。

【参考情報】

　消防法に定める危険物
　第２類可燃性固体
　（２）指定数量
　　第１種可燃性固体（マグネシウム粉150メッシュパス）100kg
　　第２種可燃性固体（マグネシウム粉80〜100メッシュパス）500kg

　物質の特定化学名マグネシウム（主要成分）
　含有量91％以上
　化学式又は構造式Ｍｇ（合金添加成分として、Ａｌ、Ｚｎ、Ｍｎ等）
　官報公示整理番号化審法：対象外　安衛法：元素
　ＣＡＳ　Ｎｏ ７４３９−９５−４
　国連分類国連の定義上危険物に該当しない。
　（マグネシウム合金に関してはその粒径、形状により危険性が異なる）

　陸上輸送の場合「危」を表示する。
　海上・航空輸送の場合「ｕｎ」マーク入りの容器で輸送する。